レベルファイブ日野晃博氏から学ぶ、ヒット作を生みだすための4つのポイントとは!!

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この記事は2017年8月22日に書かれたものです。
現在は内容が古い可能性もありますのでご注意ください。

これは2015年10月17日、福岡・九州大学大橋キャンパス内にて、KYUSHU CEDEC 2015が開催されたときの話です。
いつか自分の創作活動のためにまとめようと思っていたのでとりあげてみました。

記事の詳細はこちらから
→ファミ通.com HP:ヒット連発のレベルファイブ日野晃博氏が“日野流企画立案術”を語った!【KYUSHU CEDEC】
株式会社レベルファイブ

そもそも『企画』ってどのように考えているんでしょう?

日野氏は企画について、

ちょっとしたテキスト設定を見て、それおもしろそう、自分にもアイデア出させてくれ、といろいろな人が参加したくなるようなもの

と語っています。

仕様まで作りこんでしまいそうですが、そうではなく「夢を提示」することが大事です。
企画を聞いて、それに参加したい!参加する人のモチベーションがあがる!わくわくしてくる!そういったものを企画と考えているようです。

ではポイントを一つ一つ見ていきましょう!

【ポイント1】タイトルはしっかり決めよう!

『RPG(仮)』ではダメ!」だそうです。
どちらかとういうとタイトルよりも先に中身や物語を考えそうなものですよね。

私は正直、タイトルに執着がなかったです。MMDで制作しているアニメ「カイト伝」もぶっちゃけ適当です(中身はすごい考えるんですけどね・・・)。

ですが、日野氏はタイトルを重要視しています。

かっこいいタイトルをが思いつくまでは、先に進みません

と言うほどです。

ではどんなタイトルが良いのか?
日野氏が評価するタイトルは「ドラゴンボール」です。
ドラゴン」というファンタジーと「ボール」という日常的な単語を結びつけることで、異質な感じを生み出しているのがすばらしいとのことです。

そしてその方程式に当てはめて誕生したのが「妖怪ウォッチ」です。

この妖怪ウォッチは「妖怪をテーマにしたRPGが作りたい」というのが根底にあり、タイトルとして「妖怪の館」や「妖怪小僧」があったようです。
しかし、妖怪といえば「古い」「不気味」「謎」というイメージがあるため正反対の言葉を連想し、「新しい」「クリア」「よく知られている」という視点から「ウォッチ」を導き出し、「妖怪ウォッチ」という「ひっかかり」「違和感」があるタイトルが誕生しました。

このタイトルからは確かに「現代的で新しい妖怪」というイメージ湧き上がり、そういった世界観が広がっていきます。

その他のタイトルも見てみましょう。

イナズマイレブン
勢いを持ったスポーツものの象徴となる元気なイメージ
ダンボール戦機
小さな戦士の戦いという意味を持たすために「ジオラマ戦記」という名前にしようと思ったが、よりひっかかりをつけるためにこれを選択した。
レイトン教授と不思議な町
知的好奇心をくすぐる名前をイメージ。教授と不思議というキーワードにひっかかりがある。
二ノ国
パラレルワールドを表現する格調高い名前をイメージ

いやー名作ばかりですね。こんなタイトルを生みだすのは至難の技ですが、逆に考えればここをしっかりと抑えれば、あとはどんどん広がっていくとも言えます。また複数人で作品を作る場合、みんなの意識、イメージをまとめる大事な役割となります。
妥協することなく納得のいくタイトルを生み出せるよう、しっかり検討しましょう!

 

【ポイント2】キャラクター設定が命!!

レベルファイブの作品は子供たちがメインターゲットです。そうなるとわかりやすいキャラが求められます。

「親しみやすく、扱いやすいキャラクターを作っておくと、物語の作りやすさは大違いです。設定を作った時点で勝負は決まっている、と言っても過言ではありません」

と日野氏は語っています。

ではどうやってそのようなキャラクターを生みだすのか?
まず主人公を作る場合、「変化型」なのかそれとも「不変型」なのか、それを決定するそうです。

変化型は「成長する主人公」(サクセス)

主人公の成長がシナリオになるため、伸びしろが大きいほど物語も面白さを増していきます。

変化型は「最弱」から「最強」に成長するのがセオリーですが、最近では最初から「最強」で「超最強」を目指すものもあるようです。この場合の利点は最初から強く気持ちいい物語が楽しめることだそうです。

不変型は「最強主人公」(パーフェクト)

絶対的な力を最初から持っており、終始ブレません。強いキャラで魅了し、安心して物語が楽しめるのが魅力です。例を出すと「北斗の拳」のケンシロウ、「シャーロックホームズ」のホームズ、が代表的なところですね。

わかりやすく魅力的なコンテンツを生みだすためこの2つは基本となるようです。

次に魅力的なサブキャラクターを描くにはどうしたらいいのか?

その答えの一つがゴレンジャーだそうです。つまり5つの色。5つの個性です。

赤=主人公
青=身近なクール
黄=笑い、ずっこけ
桃=ヒロイン
緑=主人公から距離をおく存在、ライバル、敵、上司

自分の作ろうとする作品に、これらのカラーキャラクターがいるかをチェックしてみると良いと思います。

例えば

レイトン教授シリーズ
赤=レイトン
青=ルーク
黄=グロスキー警部
桃=レミ
緑=デスコール
ルパン三世
赤=ルパン
青=次元
黄=銭形
桃=不二子
緑=五エ門

といった感じです。

ちなみに私が尊敬する漫画家、板垣恵介先生もキャラクター設定について強い思いを持っており、生みだす際、「その人はどういう人なの」ととことん突き詰めるそうです。そしてそういうキャラクターがいれば、命が宿り勝手に物語が進んでいくとのことです。

 

【ポイント3】世界観を設定する秘訣は「架空世界での常識を設定すること」!

世界観が決まれば作品の方向性が定まるというのが日野氏の考えです。
日野氏の考える世界観とは「架空世界での常識を設定すること」だそうです。

その世界では、車が空を飛ぶのか?一般人は魔法が使えるのか?それらを見た時人は驚くのか、常識とみなしているのか?などなど。
そうした「世界の常識」が設定できなければならないということです。

 

【ポイント4】企画は夢を語ろう!未完成でいい!

日野氏は、

「いい企画とは夢を語り、未完成であるべきである」
「いい企画とはいいダシ汁。どんな具を入れてもおいしくできる。いろいろな人のアイデアを入れ込んで活かせるような、吸収し、まとめやすい包容力をもったものです」

と語っています。

しっかりと練りこんだ隙のない企画を作らないといけいない、と考えがちですがそうではなく、「おもしろいけど、ここはこうしたほうがいいのでは?」と見た人からいろんな意見が出る方がいいようです。

最後に

創作活動に「この方法でなければならない」というモノはないです。
自分の作り方を大事にしつつも、より面白いものを制作するために今回のポイントを取り入れてみてはどうでしょうか。

※この記事は以前別サイトに掲載していた内容の再掲です。