今、社会現象を起こしている「けものフレンズ」の完全新作ゲームが、2017年の夏に配信予定と公式ツイッターアカウントにて発表がありました。
「けものフレンズ」の完全新作のゲーム化プロジェクトの始動が決定いたしました!
スマートフォン向けサービス ブシモから第一弾として、新作ゲームアプリを2017年夏に配信!
詳細は、開発状況に応じて随時発表して参ります。
©けものフレンズプロジェクトG#けものフレンズ https://t.co/4ZI7YKWFJf— けものフレンズ@公式アカウント (@kemo_anime) 2017年4月24日
うぉぉぉぉ!これにはフレンズ達も「うーれしー」の一言ですね!
とテンションが上がるわけですが、そもそも「けものフレンズ」とは?そして何故ここまでの爆発的ヒットを遂げたのか、考えみました。
そもそも「けものフレンズ」ってなに?
簡単に言うとニコニコ動画で一気にブレイクした 2016年の冬アニメです。ヒットまでは苦難の道程です。
今回の発表、「完全新作ゲーム」とあるように、もともと以前にゲームが存在していました。そしてメディアミックス的にアニメを開始するわけですが、アニメの開始を待たずしてゲームが終了してしまいます。順調とは程遠い世界です。
テレビアニメが開始され、ニコニコ動画でも1話が2017年01月13日 12時00分 投稿されます(現在でも1話は無料で視聴可能)。
しかしここでも一気に人気がでたわけではありません。このを折れ線グラフ御覧ください。
グラフを見て分かる通り、公式アニメでありながら初投稿時点ではアニメカテゴリ総合8位です。そこから上下を繰り返しますが大きな伸びはありません。ところが2月5日アニメカテゴリ総合55位だったのが2月6日一気に12位まで上り詰めると2月7日から常に1ケタ順位のまま現在(4月26日)まで続きます。総合カテゴリ合算で見ても常にランキング50位以内に入っています。最初の1話がですよ。
そしてアニメだけに留まらず、オープニング曲も大ヒット!オープニング曲を歌っている声優さん達はMステにも出演されました。
ここまでの爆発的ヒットの理由は何なのか?
正直パッと見では「面白くなさそうなアニメ」と言われても不思議ではありません。
何故人気が出たのか?
これは正直謎といえば謎です。ヒットしはじめた時、監督をはじめ制作スタッフは「何が起きたんだ!?」と驚いたほどです。
アニメの作りはセルルックな3DCGです。セル画二次元ファンからすると嫌われる存在とも言えます。
動きが良いのか!?そんなことはありません。既存の3Dアニメからするとクオリティは高くないと言わざるを得ないでしょう。
では、何故人気になったのか?
ここからは私独自の視点となりますがヒットの理由を考えてみました。
一つ目の理由:しっかりとした土台
「けものフレンズ」の世界観等の幹となる部分を担当したのはケロロ軍曹等で有名な「吉崎 観音」さんです。
主人公と、フレンズと呼ばれる人のカタチをしたケモノ達、ボスと呼ばれるロボ、敵として登場するセルリアン、そしてジャパリパークという謎を多く含んだ舞台、この土台作りに適した人材を抜擢し手を抜いていないというところが一つのポイントと言えるでしょう。
たつき監督のアニメに対する愛情も溢れています。最終話が終わった後もファンを意識し空き時間を使っておまけの12.1話を作る程です。
全話通して、全てを説明するのではなく視聴者があれこれ考える余地を残しながらも、ストーリが迷子になる事はありません。そして毎回見事な引きを見せ次回への期待をマックスにします。
また、オープニング曲、エンディング曲が見事です。歌詞も世界観に合っており、考察要素も含んでいます。
この「考える要素」はとても大切で、視聴者同士の繋がりを強くしていきます。
二つ目の理由:完全なる癒やし
登場するフレンズ(ヒトのカタチをしたケモノ)は健気で純粋です。この現代社会においてこれほどピュアな存在は無いかもしれません。言葉も感情的で単純「わーい」「たーのしー」「うーれしー」などシンプルで直接的に訴えかけてきます。おそらく最も単純なコミュニケーションです。だからいいのでしょう。
小難しい事は言わず「楽しい」時は「たーのしー」という言葉だけで十分なのです。
もしかしたら高度経済成長を経て、バブル崩壊、就職氷河期時代、ブラック企業など、複雑化する人間関係と利害関係の中で疲弊する現代社会というサバンナを生きる人達にとって、この純粋さ、この単純さはそれ自体心のオアシスなのかもしれません。
三つ目の理由:コメントによる相乗効果
けものフレンズを見る者は皆フレンズです。のけものはいません。先ほども書いたように、凄くシンプルな言葉でコミュニケーションします。それがとても心地良いですし、コメント機能にあっています。アンチが必ず湧く世の中で「みんな仲良くアニメを観よう」が達成できているの「けものフレンズ」だけかもしれません。それがコメントとして具体的に伝わってきます。
これが昔のように、一人ひとりが単純にテレビで観ていただけなら、もしかしたらここまでヒットしなかったかもしれません。人間関係に疲弊しながらも人との繋がりを求める中で、観るものが全てがフレンズという共通認識を得られる世界。
そんな優しい世界を望んでいる人達の心にスッと入ってきたのかもしれません。
私の考えは以上です。
その他にもいろいろな理由、違った視点があると思いますが、全体通して言えることは野暮な事は言わず「たーのしー」で良いってことです。その誰でもウエルカムで取っ付き安いところがこの「けものフレンズ」の魅力なのだと思います。