次元の壁を超えられるか?実写映画「銀魂」の見どころ・感想をまとめてみた!

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この記事は2017年8月1日に書かれたものです。
現在は内容が古い可能性もありますのでご注意ください。

こんにちは!seroです。先日、嫁と一緒にバルト11で映画「銀魂」を観てきました!
→ 映画『銀魂』公式サイト

銀魂」と言えば、少年ジャンプで連載中の人気漫画です。TVアニメも大好評でした。非常にハードルが上がっている中での実写映画化です。

こういった漫画が原作の作品、要するに二次元から三次元への変換に対しては、非常に強い抵抗感を覚える人もいるでしょう。

理由は簡単です。漫画は二次元の世界で作られています。その世界の中では「何でもあり」です。
犬が喋ろうが、他所の惑星の話だろうが天使だろうが悪魔だろうが、ドラゴンボールのような非現実的な戦いだって表現できます。

アニメも同様です。なので、漫画からアニメはスムーズに移行できます。同じ次元ですからね。

ですが、生身の人間が演じる映画となると話は別です。次元を変換する際に生じる技術などには限界があり、どうしてもチープな感じ、簡単に言うと「しょぼい」感じになっちゃいます。

ハリウッドではお金と高い技術でそれを補っています。洋画「スパイダーマン」と邦画「進撃の巨人」を比較してもらえればわかると思います。

ビルからビルへとスムーズかつ大胆なアクションで移動していくスパイダーマン。何故それが邦画「進撃の巨人」でできないのかってことです。
漫画から映画への変換はまさにこの「次元の壁」を超えられるかがポイントになってきます。

ちなみそこまでの技術が必要ない不良漫画などは、比較的簡単に超えられますね。

さて、前置きはこのくらいにして「実写映画 銀魂」について語っていきます。

漫画を意識したストーリー構成はGOOD

銀魂は読切りとストーリー物(「◯◯編」みたいなの)が織り交ぜられている漫画です。
その両方を映画の中でちゃんとやってましたね。ちょっと漫画を読んでるような感じにもなりました。

最初は「カブトムシ取りに行く」って感じの読切りから始まって、「ここら辺りで辻斬りが出る」という台詞から「紅桜篇」の戦闘パートに入っていくみたいな感じで、よくできていたと思います。

ただ、キャラ紹介・読切りストーリー・戦闘パート、と全部詰め込んだためか、上映時間は2時間11分と長めです。

気軽に「ちょっと観てみるか」とはなりそうに無いですね。欲を言えばもうちょっとまとめられたら良かったんじゃないだろうか、ってことですかね。

 

「うーん」となってしまう役者の演技と「おっ!」と思わせるアクションシーン

役者の演技

正直、役者の演技力はそれほど高くないと感じました。そもそも橋本環奈が神楽を演じるって事で客寄せパンダ的な要素が見えてきます。
演技力よりは、ビジュアルだったり話題性を重視した感じです。邦画ではよくあることですね。

そして小栗旬が小栗旬すぎて、銀さんには全く見えなかったですねw

多くの役者が「自分が自分が!」と自分を売り込んでくる感じだったり、「この変顔よくやったでしょ!」と言わんばかりの演技は、観てるこちらとしては「うーん」となってしまいます。

©空知英秋/集英社 ©2017 映画「銀魂」製作委員会

役者を観に来てるわけじゃないんですよね(そういう人もいると思いますけど)。
「銀魂」を観に来ているわけなので、どこまで演じられるかで勝負してほしいところです。

ここは相当難しい事だと思いますが、プロの役者として頑張って欲しいですね。

堂本剛の演技は良かったと個人的には高く評価しています。本人自身のキャラのせいもあるかもしれませんが、影がある感じが非常に出てました。
台詞の読み方というよりは、醸す雰囲気が闇落ちしてる感バリバリで凄いなーと感心して見ちゃいましたね。

アクションシーン

続いてアクションシーンですが、非常に良かったですね。たぶん中抜きっぽい感じで撮ってるんじゃないでしょうか。

アクションの開始と終了部分をメインとして、間はあえて抜くっていうやり方ですね。そういう意味では非常にアニメ的です。

例えばですが、剣を振り上げる、剣を振り下ろすというシーンがあった場合、基本二コマ(剣を振りかぶった一コマと剣を振り下ろした一コマだけ)で表現している感じです。

間を抜くことで、スピード感があり且つ大胆なシーンになっています。
間を綺麗に表現できるならそれがいいのかもしれませんが、アクションは難しいですからね。変になるくらいなら抜いた方がいいです。

それに加えてカメラワークとエフェクトも合わせ、かなり上手に誤魔化した良いアクションシーンになっています。観る価値ありですね!

漫画に寄せた映画としての作り方

いかに漫画に寄せられるかを意識した映画の撮り方だと思います。だから役者も銀魂のキャラクター衣装そのまんまって感じで登場します。

漫画の服って漫画でこそ映えるもので、現実に着るとかっこ悪いのがほとんどです。だから映画で無理して着る必要ってないと思うんですよね。
でも敢えてそれをやっている。

それから、漫画やアニメでのカットそのままの構図が用いられています。

©空知英秋/集英社 ©2017 映画「銀魂」製作委員会

かなり良い感じで出来てると思いますが、やはり浮いちゃうんですよね。でもそのチャレンジ精神は凄く好きです。

洋画はどちらかというと原作に寄せるよりは映画に寄せて作っていると思います。例えば、漫画ではないですけど「バイオハザード」なんかはそうだと思います。
元のゲームとは全然違いますが、映画として面白くなるように作られています。

私はある種この「無理してでも漫画に寄せて映画を撮る」という、もしかしたら日本独自かもしれないやり方に期待しています。
今回も、作り手側がマンガ・アニメファンをリスペクトして作っているのはとても感じられました。

きっとこれからも漫画原作の映画化は行われると思います。

その度に「やめとけ」「無理無理」という否定的な意見が出ると思うし、私も「マジか」と思うでしょうが、是非頑張って欲しいです。

そうして作られていくうちに次元の差が埋まり、高いレベルの邦画が誕生すると信じています!

おっと!最後に点数を付けておきたいと思います。

 

どぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる

 

はい!100点満点中 55点です!!

70点から「観たほうがいいよ」と勧められると考えたなら、55点くらいかなと。

正直、銀魂ファンにも映画ファンにも勧められない映画ですね。

役者の演技を観たり、アクションシーン、カット割り、一枚の絵作り、こういった所は良くも悪くも勉強になるところが多いと思うので、そこに興味がある人にはオススメできるかな、ってことで50点より5点多くしています。
ちなみに、50点以下だと観ないほうがいい、時間の無駄って感じですかね。