いじめ・ブラック企業に対して「逃げてもいいんだよ」では解決しない!「逃してくれる人」が必要!

MMDにて3DCGによる多彩な動画が作れる事に魅入られ、「カイト伝」をはじめとするMMDアニメーションを制作中。
その他、ゲーム実況などにも手を出す。

この記事は2017年9月2日に書かれたものです。
現在は内容が古い可能性もありますのでご注意ください。

先日(8月30日)、上野動物園のTwitter公式アカウントが、学校での悩みを抱えている人達に向け「逃げてもいいんだよ」というツイートを発信しました。

一年を通して子供の自殺がもっとも多いのは、8月31~9月3日の間…要するに夏休みが終わり、また学校が始まるという時期です。
そういった状況を「なんとかしたい」という気持ちから発信されたメッセージなのかもしれません。

この行為自体については支持すべきものであり、とても良いことだと思います。

ただ、私なりにこの件について、いろいろ思うことがあったので書き綴っていきたいと思います。

 

「動物園」がこのメッセージを発信する事に対する違和感

アメリカバクがどうやってこの上野動物園に来たのかはわかりませんが、アメリカバクを捕まえて檻に入れ「絶対に逃げられない環境」にしておいて、「逃げてもいいんだよ」と言う事にとても違和感を感じました。

もしも動物園に来た子供が「アメリカバクは自由に外に出られないの?」「元棲んでいた場所に逃してあげられないの?」と質問した時、大人はどう答えるんでしょうか?

「ここにいる方がアメリカバクにとっても幸せなのよ」と答えるのでしょうか。

それって、そのままそっくり「学校にいる方が」「会社にいる方が」になるのではないでしょうか。

ついこの間には、岡山・玉野市の渋川動物公園からアルダブラゾウガメが逃げた、というニュースがありました。

アルダブラゾウガメ

→ 岡山・渋川動物公園のゾウガメ行方不明 防犯カメラに園外出る映像(Yahoo!ニュース)

ええ、逃げたんですよ。

逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい

って、メッセージの中にありましたよね。

その通りに逃げたんですよ。誰の許可も取らずに脇目も振らず逃げたんですよ。

で、結果どうなったか?
懸賞金50万円をかけられて捕まりました。絶対に捕まえたかったんでしょうね。絶対に逃したくなかったんでしょうね。

またこの一文にも違和感です。

もし逃げ場所がなければ、動物園にいらっしゃい。人間社会なんぞに縛られないたくさんの生物があなたを待っていますから

いやいやいやいや!動物の中で一番人間社会に縛られてるのが動物園の動物だよーー!!

これが

「アフリカのサバンナにいらっしゃい。そこには人間社会なんぞに縛られないたくさんの生物があなたを待ってますから」

これならメチャクチャ納得ですよ!

そんなこんなで違和感だらけのメッセージに「う、うーん・・・」って首をかしげてしまいました。

冒頭にも書いているように行為自体は素晴らしいと思いますし、私もその事は支持しています。
悩める子供たちや両親が前向きに考える、いいきっかけになったとは思いますからね。

では、最後に私がもう一つ思うことについて話したいと思います。
それは「逃げてもいいんだよ」では解決しないということです。

 

「逃げてもいいんだよ」では解決しない!「逃してくれる人」が必要!

浦島太郎

昔話の「浦島太郎」を思い返しみてください。いじめられているカメに対して「逃げてもいんだよ」って言えますか?逃げられないからいじめられてるんですよ。
そこに浦島太郎が来てくれるから、カメは助かるんです。

この話からもわかるように、逃げようと思っても一人では逃げられない環境ってあるんです。

「いじめ」や「ブラック企業」はそう簡単には逃してくれないんです。

アレやコレやと肉体的にも精神的に追い詰められ、思考停止する状態になりそもそも「逃げよう」っていう判断さえ出来ない状況にさせられるんです。

そういった人達に「逃げてもいいんだよ」は通用しません。「逃してくれる人」が必要なんだと私は思います。

本人が「学校に行く」「会社に行く」と言っても止めてくれる人。一緒に病院に行ってくれる人。手を引っ張って逃してくれる人が必要なんだと思います。

それは誰の役目なんだろうと考えると、一番身近なのはやっぱり家族なんだと思います。
ただ家族がいない人や、家族自体が味方になってくれない人もいます(むしろそれが原因の人もいるかも)。

そういったところにも手が届くようしっかりとした制度があればいいのですが、まだまだ難しいところだと思います。

私も「逃してくれる人が必要!」と簡単に書きましたが、そういった人を見つけるのって容易いことではありません。
もし第三者から相談されたとして、自分ができることってなんだろうって考えた時、驚くほど無力なんだと痛感します。

上野動物園はそんな中で「何ができるか分からないけど何とかしたい」と強く思った結果のツイートだったのかもしれませんね。